ソロステーキングとはソロステーキングとは、インターネットに接続されたイーサリアムノードを稼働 させ、32 ETH を預け入れ、バリデータ を起動し、ネットワークのコンセンサスに直接参加できるようになることです。
イーサリアムのノードは、実行レイヤー(EL)クライアントとコンセンサスレイヤー(CL) クライアントの両方で構成されています。 これらの 2 つのクライアントは、有効な署名鍵とともに、トランザクションとブロックの検証、正しい先頭チェーンの証明、アテステーションの集約、ブロックの提案などを行うソフトウェアです。
これらのクライアントを動かすために必要なハードウェアの運用は、ソロステーカーが責任をもって行います。 自宅で専用のマシンを使用することを強くお勧めします。これは、ネットワークの健全性にとって非常に有益なことです。
ソロステーカーは、オンラインでバリデータを適切に稼働させ続けることで、プロトコルから直接報酬を受け取ることができます。
ソロステーキングの利点ソロステーキングはより多くの責任を伴いますが、資金とステーキングのセットアップをご自身で最大限に制御することができます。
ソロステーキングを行う前に考慮すべきことソロステーキングが誰にでも利用しやすく、リスクが無ければ良いのですが、現実はそうではありません。 ETH のソロステーキングを選択する前に、真剣かつ実践的に考慮すべき点がいくつかあります。
ノードを運用する際、選択したソフトウェアの使い方を把握するのに時間をかける必要があります。 そのためには、関連するドキュメントを読み、開発チームのコミュニケーションチャネルにも注意を向ける必要があります。 実行するソフトウェアやプルーフ・オブ・ステークがどのように機能するかを理解すればするほど、ステイカーのリスクは減り、ノードオペレータとして稼働する上で発生した問題を修正するのも容易になります。
新しいツールの登場により、徐々に容易にはなってきていますが、ノードのセットアップには、コンピュータの操作にある程度慣れている必要があります。 コマンドラインインターフェイスを理解していると便利ですが、厳密にはもう必要ありません。 また、ハードウェアの基本的なセットアップと、最低限の推奨スペックをある程度理解する必要があります。
秘密鍵がイーサリアムアドレスを保護するのと同じように、バリデータ専用の鍵を生成する必要があります。 シードフレーズや秘密鍵を安全に保管する方法を理解する必要があります。
イーサリアムのセキュリティと詐欺対策
現在のところ、ステークしたETHやバリデータ残高から、まだ報酬を引き出すことはできません。 引き出しは、次の上海アップグレードで計画されています。 ETHは少なくとも1~2年間はロックされることを想定しておく必要があります。 上海のアップグレード後は、ご希望に応じて、ステーキングの一部または全部を自由に引き出すことができます。
ハードウェアが故障したり、ネットワーク接続に失敗したり、クライアントソフトウェアのアップグレードが必要になったりすることもあります。 ノードのメンテナンスは避けられないものであり、時にはあなたの注意を必要とすることがあります。 ネットワークのアップグレードや、クライアントの重要なアップグレードが予定されている場合は、常に注意しておく必要があります。
報酬は、バリデータがオンラインで適切に認証している時間に比例して支払われます。 ダウンタイムにより、同時にオフラインになった他のバリデータの数に比例したペナルティを負いますが、
スラッシング は発生しません。 また、アテステーションが間に合わないと報酬が減少するため、帯域幅も重要です。 要件は様々ですが、最低でも上下10 Mb/sを推奨します。
オフラインであることによる非稼働のペナルティとは異なり、
スラッシング は悪質な不正にのみ適用される、より深刻なペナルティです。 鍵が読み込まれたマイノリティのクライアントを1台のマシンだけで運用する場合、スラッシングのリスクを最小限に抑えることができます。 とはいえ、すべてのステイカーはスラッシングのリスクを認識しておいてください。
<p><a href="https://medium.com/prysmatic-labs/eth2-slashing-prevention-tips-f6faa5025f50/">スラッシングとバリデータのライフサイクルの詳細</a></p>
Comparison with other options ステーキング・アズ・ア・サービス(SaaS) ステーキング・アズ・ア・サービス(SaaS)プロバイダーでは、32 ETHの預け入れは必要ですが、ハードウェアを運用する必要はありません。通常、バリデータ鍵へのアクセスは自分自身で保有しますが、プロバイダーがご自身の代理でバリデータとしての役割を果たせるように、署名鍵を共有する必要があります。つまり、これは自分自身のハードウェアを使用する場合には必要ない、プロバイダーへの信頼が必要になります。また自宅でのソロステーキングとは異なり、SaaSはノードの地理的な分布という点では、あまり貢献しません。ハードウェアの運用に不安があり、それでも32 ETHのステーキングを行いたい場合は、SaaSプロバイダーを利用するのが良いかもしれません。
ステーキング・アズ・ア・サービス(SaaS)についてもっと知る ステーキングプール ソロステーキングはプーリングサービスを利用したステーキングよりもかなり複雑ですが、ETH報酬へのフルアクセス、バリデータの設定とセキュリティのフルコントロールというメリットがあります。ステーキングプールではは、参入障壁が大幅に低くなり、少額のETHでステーキングに参加することができ、バリデータ鍵の生成は不要で、標準的なインターネット接続以上のハードウェア要件はありません。流動性トークンにより、ステーキングを辞めることがプロトコルレベルで可能になっています。これらのメリットにご興味がある場合は、ステーキングプールの利用が適しているかもしれません。
ステーキングプールについてもっと知る 仕組みノードを実行 するのに必要なハードウェアを入手
実行レイヤークライアントを同期
コンセンサスレイヤークライアントを同期
鍵を生成し、バリデータクライアントに読み込み
ノードを監視・維持
望まれるのであれば、バリデータを辞めると、オンラインである必要がなくなり、それ以降の報酬も停止します。 ただし、上海アップグレードまでは、資金の引き出し ができませんので、ご注意ください。
上海アップグレード後は、ご希望であれば、報酬だけでなく、ステーキングも引き出すことができるようになります。
ステーキングランチパッドを開始するステーキングランチパッドは、ステーキングを始めるのに便利なオープンソースアプリケーションです。 クライアントの選択、鍵の生成、ステーキングデポジットのコントラクトへの ETH の預け入れを案内してくれるアプリケーションです。 バリデータを安全にセットアップするためのチェックリストが提供されています。
ネットワークを選択 ソロステーキングを行うバリデータは、ご自身の資金をリスクにさらす前に、Goerliテストネットで操作のスキルとセットアップをテスト してください。ネットワークのセキュリティを向上させ、リスクを制限するために、マイノリティのクライアント を選択することが重要であることをご留意ください。
コマンドラインに慣れている場合は、ステーキングランチパッドだけを使ってコマンドラインですべてをセットアップすることも可能です。
クライアントを簡単にセットアップするには、ステーキングローンチパッドと合わせて、以下のツールやガイドを利用してみてください。
ETH のソロステーキングを支援するツールやサービスは増えていますが、それぞれに異なるリスクと利点があります。
各ステーキングツールの顕著な長所や短所を示すため、下記の属性指標が使用されています。 ステーキングに役立つサービスを選ぶ際に、これらの属性をどのように定義しているかの参考として、このセクションをご利用ください。
オープンソース 監査済み バグ報奨金 テスト済み トラストレス パーミッションレス マルチクライアント セルフカストディ 経済性 オープンソース 重要なコードは100%オープンソースであり、フォークして利用可能
セットアップに役立つ様々なオプションが用意されています。 上記の指標を参考に、ツールを選択してください。
マイノリティのクライアント を選択することが、ネットワークのセキュリティを向上させ、ご自身のリスクを制限する上で、重要であることにご留意ください。 少数派のクライアントを設定できるツールは、
「マルチクライアント」 と表記されています。
ノードツール
キージェネレーターこれらのツールは、ステーキングデポジット CLI(opens in a new tab) の代替として、鍵の生成に使用できます。
ここに記載すべきステーキングツールをご存知の場合は 製品掲載ポリシー を確認し、記載すべきかどうかをご確認の上、レビューに提出してください。
ソロステーキングガイドを探索 よくある質問これらは、ステーキングについての最も一般的な質問のいくつかで、知っておく価値があるものです。
バリデータとは、イーサリアム上で稼働し、イーサリアムプロトコルのコンセンサスに参加する仮想エンティティです。 バリデータは、残高、公開鍵、およびその他のプロパティで表されます。 バリデータクライアントは、バリデータに代わって機能するソフトウェアで、バリデータの秘密鍵を保持し使用します。 1 つのバリデータクライアントが複数の鍵ペアを保持し、複数のバリデータを制御することができます。
バリデータに関連付けられたそれぞれの鍵ペアを、バリデータとして有効化するには、ちょうど32 ETHを必要とします。 バリデータにつき、
有効残高(opens in a new tab) が32 ETHに制限されているため、1つの鍵セットに対して、32 ETH超の預け入れがあった場合でも、報酬が高くなることはありません。 つまり、ステーキングは32 ETH単位で行われ、それぞれに鍵と残高が設定されています。
1 つのバリデータに、32 ETH を超える ETH を預け入れないでください。 報酬が増えることはなく、予定されている上海アップデートまで資金がロックされてしまいます。
ソロステーキングが難しい場合は、ステーキング・アズ・ア・サービス(SaaS) プロバイダーの利用をご検討ください。また、32 ETH 未満でステーキングを行う場合は、ステーキングプール をチェックしてみてください。
オフライン状態になるとスラッシングの対象ですか? (答えは、いいえです)
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ネットワークが正しくファイナライズされているときにオフラインになっても、スラッシングは起こりません。 あるエポック(各6.4分間)の間、バリデータがオフラインで証明できない場合、わずかな
非稼働によるペナルティ が発生しますが、これは
スラッシング とは異なるものです。 このペナルティは、バリデータがオンラインで証明できた場合に得られる報酬よりも若干少ない額になっており、ペナルティによる損失は再びオンラインに戻ると、ほぼ同等の時間をかけて取り戻すことができます。
注:非稼働によるペナルティは、同時にオフラインになったバリデータの数に比例します。 ネットワークの大部分が一度にすべてオフラインになった場合、各バリデータのペナルティは、単一のバリデータがオフラインになった場合よりも高額になります。
極端な場合、3 分の 1 超のバリデータがオフラインになり、ネットワークのファイナライズが停止してしまうと、クアドラティック非稼働消失(quadratic inactivity leak) と呼ばれる、オフラインのバリデータアカウントから ETH が指数関数的に消失する結果に見舞われることになります。 これにより、非稼働状態にあるバリデータの ETH 残高が 16 ETH に達するまで燃焼した時、バリデータのプールから自動的に排出され、最終的にネットワークを自己回復させることができます。 残りのオンライン状態のバリデータは、最終的にネットワークの 3 分の 2 以上を構成し、再びチェーンをファイナライズするために必要なスーパーマジョリティを満たすことになります。
スラッシングされないようにするにはどうすればいいですか?
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要するに、完全には保証することはできませんが、誠実に振る舞い、少数派のクライアントを実行し、署名鍵を一度に1台のマシンにしか格納しないようにすれば、スラッシングされるリスクはほぼゼロになります。
バリデータがスラッシングされ、ネットワークから追放されるような具体的な原因は、ほんの数種類しかありません。 本稿執筆時点では、2 台のマシンに署名鍵が格納され、冗長化されたハードウェアでセットアップされた場合にのみ、スラッシングが発生しています。 この場合、誤って自分の鍵から二重投票 してしまうことがあり、これはスラッシングの対象となります。
スーパーマジョリティのクライアント(ネットワークの 3 分の 2 以上で使用されているクライアント)を実行すると、このクライアントにチェーンフォークを引き起こすバグがあった場合、スラッシングの可能性があるというリスクも伴います。 その結果、誤ったフォークがファイナライズされてしまうことがあります。 意図したチェーンへと修正するには、サラウンド投票 (surround vote) を提出し、ファイナライズさえたブロックを元に戻す必要があります。 また、これはスラッシングの対象となる違反で、マイノリティのクライアントを実行するだけでこのリスクを回避することができます。
マイノリティのクライアントにおける同じようなバグでは、決してファイナライズされません。 そのため、サラウンド投票(surrond vote)に至ることはなく、非稼働のペナルティは課されますが、スラッシングされることはありません。
マイノリティのクライアントを実行する重要性についてもっと詳しく(opens in a new tab)
スラッシング防止についてもっと知る(opens in a new tab)
各クライアントは、様々なプログラミング言語を用いて異なるチームにより開発されているため、パフォーマンスやユーザーインターフェースの観点で多少異なる場合があります。 とはいえ、どのクライアントが「ベスト」とは言い切れません。 リリースされているクライアントは、すべてブロックチェーンと同期し、相互作用するという同じコア機能を実行します。
すべてのリリースされているクライアントは同じ基本機能を提供するので、マイノリティのクライアント 、つまりネットワーク上の大多数のバリデータで現在使用されていないクライアントを選ぶことが、実際のところ非常に重要です。 これは直感に反するように聞こえるかもしれませんが、マジョリティまたはスーパーマジョリティのクライアントを実行すると、そのクライアントにバグが発生した場合にスラッシングの危険性が高まります。 マイノリティのクライアントを稼働することで、こうしたリスクを大幅に軽減することができます。
クライアントの多様性が重要な理由についてもっと知る(opens in a new tab) 単にVPS(仮想プライベートサーバー)を使用できますか?
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仮想プライベートサーバー (VPS)は自宅のハードウェアの代わりとして使用できますが、バリデータクライアントの物理的なアクセスや場所は
重要です 。 アマゾンウェブサービスやデジタルオーシャンなどの中央集権型のクラウドソリューションでは、ネットワークの中央集権化という犠牲のもとで、ハードウェアの入手や運用が不要となり、利便性を提供しています。
単一の中央集権型クラウドストレージソリューション上で動作するバリデータクライアントが多ければ多いほど、これらを使用しているユーザーにとって危険になります。 攻撃、規制要求、あるいは単なる停電/インターネットの停止にかかわらず、これらのプロバイダーがオフラインになるような障害があれば、このサーバに依存しているすべてのバリデータクライアントが同時にオフラインになることになるためです。
オフラインのペナルティは、同時にオフラインになった他のバリデータクライアントの数に比例します。 VPS を使用すると、オフラインのペナルティがより厳しくなり、停止が大規模になった場合にクアドラティックリークやスラッシングのリスクが大幅に高まります。 ご自身のリスク、およびネットワークへのリスクを最小限に抑えるため、ご自身でハードウェアを入手し、運用されることを強くお勧めします。
参考文献